ホームステイには「当たり外れ」がある?その理由を解説

ホームステイの「当たり外れ」って何?

ホームステイには、よく「当たり外れがある」と言われますが、それは本当でしょうか?結論から言うと、家族との相性によって感じ方が大きく異なります

例えば、小さな子どもと関わることを楽しみにしている人にとって、老夫婦とのホームステイは少し物足りないかもしれません。一方で、静かな時間を求める人にとっては理想的な環境になるでしょう。ホームステイは、あくまで家庭との相性と自分の期待次第で「当たり」か「外れ」かが決まるのです。

また、ホストファミリーというと、白人家庭で毎日一緒に食事をし、週末には一緒に買い物やバーベキューをするというイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし、カナダのように移民を多く受け入れている国では、移民家庭が家計を支えるためにホームステイをビジネスとして運営していることも少なくありません。そのため、ホストファミリーの背景や文化は非常に多様で、自分の期待とのギャップを感じることもあるかもしれません

ホームステイとは何か

ホームステイとは、留学などで学生が現地の家庭に滞在し、その家族と共に生活する滞在方法のことを指します。通常、ホストファミリーは学生に一部屋を提供し、契約に基づいて決められた回数の食事を準備します。ホストファミリーの義務は、部屋と食事の提供のみで、一緒に食事をしたり、外出したりと、家族の一員のように過ごすことができる場合もありますが、それは必ずしも義務ではありません。

ホームステイの学生は特別なゲストとして扱われるわけではなく、日常生活の一部に溶け込む形で滞在するため、過度なおもてなしを期待しないようにすることが大切です。

筆者のホームステイ体験談

私は現在、カナダで高校留学中で、これまでに3つの異なるホームステイを経験してきました。それぞれの家庭で異なる文化や生活スタイルに触れることができましたが、その中には「当たり」もあれば「外れ」と感じる体験もありました。これから、私が過ごした3つのホームステイについて、実体験をお話しします。

1つ目のホームステイ

1つ目のホームステイは、カナダに到着して最初の2ヶ月間、語学学校に通う期間の滞在でした。ホストファミリーはフィリピン系の60代の老夫婦と30代の息子。とても親切で、ホストマザーとファザーはリタイア後だったため、余裕のある時間を使って最寄りの駅まで送迎をしてくれたり、スーパーでの買い物も一緒に楽しんだりしました。夕食は毎日一緒に食べ、家庭の温かさを感じることができました。短期間の滞在でしたが、今でも連絡を取り合っており、非常に良好な関係を築けたホームステイでした。

2つ目のホームステイ

2つ目のホームステイは、私にとって少し難しいものでした。6人家族で、みな忙しく働いていたため、コミュニケーションの機会がほとんどなく、孤立感を覚えることが多かったです。特に、夕食は各自が別々に食べる習慣があり、毎日一人で食事をする時間が続くうちに、次第に孤独を感じるようになりました。さらに、私の部屋は半地下にあり、家族の顔を見ることがない日が多く、家の中でもほとんど一人の時間が続きました。洗濯機の使用が2週間に1回に制限されていたり、食事が合わなかったりと、日常生活の中でも少しずつ不便さを感じ、この環境で3年間を過ごすのは難しいと判断しました。ただし、この家庭が悪いわけではなく、彼らの生活スタイルと私の期待がうまく噛み合いませんでした。

3つ目のホームステイ:

高校留学1年目が終了し、夏休みが終わった後、新しいホームステイ先に移りました。ここでは、私の両親と同じくらいの年齢のホストファザーとホストマザー、そして二人の息子と娘がいて、家族の温かさを感じられる環境でした。特にホストシスターは私より1つ年上で、学校の課題などを助けてくれて、とても頼りになる存在です。

家族全員が揃って食事をするのは週に1回ほどですが、毎日誰かしらがいて、一緒に夕食を取っています。この時間は、日々の出来事を共有したり、近況報告をする、ホストファミリーと良好な関係を築くための重要な場だと感じています。今では、食事の時間がホストファミリーとの絆を深めるために欠かせないものだと実感しており、毎日の楽しみの時間になっています。

ホストファミリーと良い関係を築くには

せっかくの留学を、ホストファミリーとのギクシャクした関係で終わらせたくないですよね。ホストファミリーと良好な関係を築くためのいくつかのポイントをお伝えします。

1.積極的に話しかける

2.自分の意思をきちんと伝える

3.その国の文化や生活習慣を受け入れる

4.ささいなことでも感謝を口にする

5.常識を持って行動する

1.積極的に話しかける

ホストファミリーとのコミュニケーションは、自分から積極的に話しかけることが大切です。たとえ食事を一緒にとらない日でも、家の中で顔を合わせたら、挨拶や「今日の調子はどう?」など簡単な会話をしてみましょう。例えば、”How are you?” と聞かれたとき、ただ “Good” と返すだけでなく、学校であった出来事を少し話してみると、会話が広がり、関係も深まります。

また、私がホストマザーから聞いた話ですが、以前受け入れた学生が毎日部屋にこもっていて不満を感じたという経験があったそうです。英語力に自信がなくても、伝えようとする姿勢が大切です。積極的に関わることで、ホストファミリーもあなたをより理解し、親しみを感じるようになります。

2.自分の意思をきちんと伝える

海外では、自分の意思をしっかり伝えることが重要です。日本では「察してもらう」ことが多いかもしれませんが、海外ではその文化はあまり通じません。例えば、夜中にスピーカーの音がうるさかった場合、言わなければずっと我慢することになってしまいます。不満や気になることは、遠慮せずに伝えることが、お互いのためになります。

3.その国の文化や生活習慣を受け入れる

留学先の国では、日本の習慣とは異なることに多く遭遇します。まずは、ホストファミリーの生活習慣に合わせる努力をしてみましょう。異文化に適応することで、視野が広がり、グローバルな視点を持った人間として成長できます。特に、食文化や家庭内でのルールなど、最初は戸惑うことがあるかもしれませんが、柔軟に受け入れることが大切です

4.常識を持って行動する

ホストファミリーとの信頼関係を築くためには、常識的な行動が不可欠です。具体的には、家庭のルールを守ること(門限や夕食の時間など)や、自分のことは自分でやること(自分の部屋を片付ける、自分の食器を洗う)などです。自立した行動を心がけることで、ホストファミリーの信頼を得ることができます

5.ささいなことでも感謝を口にする

ホストファミリーに対して、小さなことでも感謝の気持ちを伝えることが大切です。例えば、夕食を用意してもらったときに、”Thank you for making dinner” と言うだけで、ホストファミリーはあなたの気持ちに喜んでくれます。感謝の言葉には、相手との距離を縮める効果があります。

私も、今のホストファミリーでは、毎日食事が終わった後に、”Thank you for making dinner” と伝えてから自分の部屋に戻るようにしています。この習慣は、ホストシスターやホストブラザーがやっているのを見て、いいなと思い、私も取り入れたものです。日本では親に感謝の言葉を伝える機会が少ないかもしれませんが、留学先では積極的に感謝の気持ちを表現することが良好な関係を築く鍵になります。

ホストファミリーとの関係がうまくいくかどうかは、留学生活全体に大きく影響します。ホームステイには確かに「当たり外れ」があると言われますが、その鍵は、自分自身がどれだけ積極的にコミュニケーションをとり、相手の文化や習慣を理解しようとするかにかかっています。たとえ最初は「外れ」だと感じても、努力することでその関係を「当たり」に変えることができるかもしれません。

私自身も、さまざまな家庭で異なる体験を通じて学びましたが、最も重要なのは相手との対話と感謝の気持ちを忘れないことです。ホストファミリーはあなたの成長をサポートしてくれる存在です。積極的に関わり、感謝の気持ちを伝えていくことで、きっと良好な関係を築けるはずです。

最後に、ホームステイを成功させるためには「積極性」と「柔軟性」が重要です。ぜひ、自分から一歩踏み出して、ホストファミリーとの素晴らしい関係を築いてください。ホストファミリーとの交流を通じて得られる経験は、留学生活をより豊かなものにしてくれるはずです。

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